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2017年 08月 30日

エチオピアコーヒーの今 その3 ECX制度(エチオプア商品取引所)の功罪

ECX制「エチオピア商品取引所」 Ethiopia Commodity Exchange (エチオピア コモディティー エクスチェンジ)

ECXの生みの親はEleni Zaude Gabre-Madhin(元世銀エコノミストのエチオピア人)

彼女はエチオピアの食糧危機や農民の生活向上を目指してこの制度を立ち上げたと言われている

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実際にエチオピアでは同じ食糧危機であっても北部に食糧がなくて人が餓死する一方で、南部では食糧があまっていた

その問題を解決するためには道路インフラの改善や政府が農作物を一元管理することが必要であると彼女は言う

世界の最貧国とまで言われる現状を考えれば、農業に対する国の管理も必要だとは思うのだが…

コーヒーにとってECX制実態は、国内生産量の約96%を占める輸出用コモディティコーヒーを9つの主要生産地

(Yirgachefe、Sidama、Jimma、Harar、Limmu、Kaffa、Tepi、Bebeka、Lekempti)に分けて品質を国が管理することを目指した

具体的に言えば産地内でのブレンドによる品質の平準化で国が品質や価格をコントロールするということ

つまり4%にも満たないスペシャルティコーヒーを流通加速するより96%の一般流通品コーヒー市場を守り価格を上げることが目
だった

しかし、消費国からの反応は厳しくトレーサビリティーの不明確なモノとしてブランドイメージを落胆させる結果となった

しかも栽培地から収穫される小規模農家へのチェリーの引き取り価格は㎏20円程度に固定されたままである

大人が数人がかりで1トン集めても2万円にしかならない

イメージして欲しいコーヒーは農産品であり果実である

春に花が咲き、夏に結実し、秋に収穫をむかえる、つまり1年に1回しか収穫出来ない

という事は、さっきの1トンで2万円を稼いだ家族の収入はコーヒーでの年収という事になる

これでは極貧の生活から脱出することは不可能なのは明らかだ

でも我々が手に出来るECX経由のエチオピアコーヒーの価格はイルカチャフィーで㎏1,200円以上する

じゃあ、だれがどこで搾取しているのか?

あくまでも聞いた話だが、胴元の国=ECXが確実な上前をはねる

取引所の維持、精製所、農協、品質管理部門、各種研究施設を国営で運営するには巨額な費用が掛かるからだ

更に許認可上の利権と癒着で大部分が権力者や資本家に流れているらしい

国の管理とは、国家権力の管理である

ごく一部の富裕層と大多数の貧困層、その構造への根本的な変化を権力者が認める訳がない

しわ寄せは全て弱者に集中するのが現実…


このような状況って、どこかの何かと似ているような気がしませんか?

日本の食管制度、1942年~1995年施行されたお米を対象とした食糧管理制度です

胴元は国、ECXが農協、各産地のブレンド管理が政府備蓄米、政府流通米

真面目な農家が良いお米を家族や親戚、親しい友人にあげたり売ったりすることを縁故米

それ以外は全て、今で言う「魚沼産コシヒカリ」も「晴天の霹靂」も全てがヤミ米として扱われました

浅野さんのモカは単一農園、単一品種のシングルオリジン高品質豆ですが今のエチオピアECX制度下ではヤミ米と同じです

しかし、日本の米が変わったように良いモノは高く、悪いモノは安いという普通の評価

「品質に対して価格を払うシステムの構築」が可能となれば必ず何かが変わります

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子供たちの未来を明るく照らす未来へのビジョン、浅野さんたちが目指し取組む物語の創造

良いコーヒーを作るために真面目に真剣に取組んだ「頑張った人が報われる社会」

私たちが普通と感じる、当たり前のことを当たり前にすることの難しさ

我々ロースターが出来ることで、少しでも力になりたいと考えています


















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by coffeecolors | 2017-08-30 12:53 | 浅野さんのモカ


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