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2017年 11月 29日

浅野さんのモカ その10 告白

平成29年10月29日 青森ローストマスターチャレンジトークフォーラム「エチオピアの今と未来」が無事に開催された
同時開催の野外イベント「八甲田秋まつり」特設コーヒーブースでは北海道、東北のインディーズロースター8軒が出店し会場を盛りあげた

我々のブースでは浅野さんと一緒にエチオピア アラカのウォッシュド、サンドライナチュラル飲み比べセットを用意し2日で500人以上のお客様にご利用頂いた

スッキリとしたウォッシュド、芳香な香りとイチゴのようなナチュラル、同じ豆でもプロセスによってこんなに違うモノかとの反応が多く大きな手ごたえを感じた

そしてフォーラム本番の室内会場では限定100名の予定に対し、定員オーバーの120名ものお客様がご来場下さった
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あの日から既に1月経った今も尚、私の頭の中は様々な感情と、溢れる複雑な情報で消化不足が続いている
そんな中、エチオピアの首都アディスアベバに戻った浅野さんから1通のメールが届いた

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内容は今日までアディスアベバのMETAD本社のオフィスで、明日からはALAKAのあるハンベラまで2日間の移動だそうだ
これから1月半ばまではネットもつながらない山の中での収穫、精製の農作業に入るらしい

浅野さんからのメールは日本での私どものと約束に対し、大幅な変更が生じてしまったことの報告だった
その変更とは、浅野さんが青森の会場で約束したMETAD社とのダイレクトトレードをハンドリングするMETAD Japanの創設

本来はこれから収穫精製する2017-2018CROPの輸入販売を目指すはずだったのだが、それを一旦白紙の状態にせざる負えない大きな変更らしい
その内容はAman氏からのミッションを優先することとは言っても決して後ろ向きな変更ではなく逆に素晴らしい前向きで壮大なプロジェクトだった
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私が浅野さんに提案した日本でのMETAD社直営のファクトリーカフェを中心としたアンテナショップ作り
そのレベルの数十倍も大きな規模のドライミル、ローストファクトリー、ラボラトリー、オフィス、カフェ、各種テナント

全ての機能を兼ね備えたの機能を合わせたエチオピアでのMETAD本社ビルディングを10,200㎡の敷地に建設するプロジェクトである

つい数か月前に浅野さん事を「エチオピアに住みたいだけのタダの農園の人」と紹介されたことがあった
当初、その意識は確かに浅野さん自身も持っていたのだが、今ではMETAD社の新規プロジェクトを任される重要なブレーンとなった

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浅野さんのエチオピアでの活躍、そして一時先送りとなったが近い将来実現するであろうMETADJapanの設立
ここまでの流れは浅野さんの成功物語のようだと思われるが…

実際に私自身も青森でのコーヒーフォーラムの台本を作成し、浅野さんを迎えた当日まで男気溢れるエチオピアでの武勇伝を期待していた
しかし、その期待は開始10数分で大きく裏切られた

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当日の司会進行役として私は開会のあいさつの後、セッション1「浅野さんか語るエチオピアの今」のゲスト講師として彼を紹介した
簡単なプロフィールと私が聞いた範囲での今までの経過を話し、最初の質問として私が彼に抱え続けていた最大の疑問をぶつけた

「そもそも、何でエチオピアに移住されたんですか?」
妻とは離婚?子供には父親は死んだと思えと別離?先祖代々のお墓も整理し国籍も移した?

きっと我々の理解できない強い意志、信念を持って生涯を賭けた取組みをされて来たんだろうとの期待を込めて聞いた彼の答えが
「ただ、のたれ死にする場所を求めて…」???

そして「ここからは木村さんにもまだ、お話ししたことのない事なんですが…」
「実は喉頭ガンステージ4で既に細胞転移してたんです」

その宣告を受け様々な事を考え悩み苦しんだ結果として、人生でお世話になったコーヒーに何かお返しがしたい

「おいしいコーヒーの真実」という映画で感じたやり場のない怒りの感情をぶつけ身を粉にして残りの命を削る覚悟だったんです


ところがエチオピアで浅野さんの身に奇跡が起きた

毎日エチオピアの主食インジェラと言うイネ科穀物の粉を発酵させクレープのように焼いたものを食べ続け、寝食を忘れてコーヒー生産者と汗を流す毎日を続けていたら、どんどん元気になってきたそうだ


そこで一時帰国しかかりつけの医師に診察したもらったら「浅野さん癌細胞が消えてます!」
にわかには信じられないが、癌細胞が石灰化して壊死しているらしい


そうです、彼はエチオピアを救おうとしているのではなく逆にエチオピアに救われたんです

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そこから先の事は正直、よく覚えていません
私は司会進行の台本も忘れて、ただ彼の横に座って彼の話を聞いているのが精一杯だった

浅野さんの告白と体験はご来場者の心に深く染み渡っていた

まだまとめ切れてはいないが、ご参加頂いた多くの方々のアンケートに感動、感激、感謝の文字が溢れていた


浅野さんが今シーズン輸入したアラカの生豆はウォッシュドを少し残すだけで、ナチュラルは完全にソールドアウト
我々のリクエストで貴重なエチオピアの在庫150袋を緊急輸入するものの、実際の販路拡大は来シーズンまで持ち越しとなる


つまり、彼は自身の体験や告白をビジネスに利用しなかったのだ
あくまでも品質と適正な価格を提示しながら、正直に真摯にコーヒーの魅力を伝え広めることに徹した

そして日本での一連のプロモーションを終え11月にエチオピアに帰国する直前の青森でのフォーラムで
彼はエチオピアへの、日本で出会ったインディーズロースターへの、METAD社のBossビジネスの巨人Aman氏への

大きな感謝の気持ちを込めて、今までの思いの丈を告白した


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そして我々は、同志として兄弟として深い絆を繋いだ

来年も、再来年も、5年、10年、100年と続くサスティナブルコーヒーの絆
サードウエーブの先になる次世代コーヒーの姿が、おぼろげに見えて来た

ビジネスを超えた人と人のつながり
地球を取り巻く生産者と消費者の共生と共栄

顔の見えるコーヒーづくり…

まだ輪郭はハッキリしないが、浅野さんと我々の手で模索すべき大きなテーマだと思う


この物語は、まだ始まったばかり

いや、まだアイドリング状態なのかもしれない


私は昨日、エチオピアの奥地ハンベラに2日間移動し約2ヵ月音信不通となる浅野さんにMETADJapan創設の延期に対する了承をメール返信し、エチオピアでのプロジェクトを祝福した

彼からの返信は

ありがとうございます!!やはり木村さんはわかってくれる方だと思っていました」

そして
「行ってきます!インパクトドライバと大量のビスを持って!!」

彼はまた、初心に帰り数ヶ月間「エチオピアの農園の人」となって生産者達のと絆を繋ぎ深めるのだろう
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浅野さんが参加するエチオピアでの新プロジェクトは
ドライミル、ローストファクトリー、ラボラトリー、オフィス、カフェ、各種テナント全ての機能を兼ね備えたの機能を合わせたエチオピアでのMETAD本社ビルディングの建設

完成したら必ず見に行って、METADJapanの展開に繋がる夢を一緒に語り合いたいと思う

日本のインディーズロースターも欧米のようにダイレクトトレードが主流の時代になるのか?

その可能性の小さな風穴を、我々の手で一緒に空けて行きたい 
















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by coffeecolors | 2017-11-29 11:47 | 浅野さんのモカ


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