2013年 02月 20日
「お前はこの1年、いったい何をやっていたんだ!」 社長の怒鳴り声が響いた 杜の都の中心地、真冬の2月ビルの5階にある役員室 毎年恒例の管理職面談だが今日は異様な緊張が走る 声を殺してうつむきながら小さく「申しわけござません」 と言うが、心の中は妙に冷静だった 安値競争で品質は二の次、そんな業務用コーヒーから 高品質で高付加価値のスペシャルティーコーヒーを 直接、消費者に販売する専門ショップの展開を提案したが・・・ 本社商品部の仕入担当から店舗事業部に転属したのは良いが 予算は原則なし、既存の店舗を利用して市販コーヒーの 売上を上げることが求められた 私が提案したのは店舗焙煎、抽出、提供、そして豆売りの一連 が見えるロースター&バリスタショップだが どうも提案書自体が何処に行ってどうなっているのか定かでない そして核心の部分は未だ誰にも公開していないので社長から見れば 正に何もしていないように映るのだろう 最大の問題は直属の上司 着任して真っ先に言われらのが「言われたことだけやれ」 そして更に「お前のやりたいことは絶対にやらせない」だった 業務用コーヒーと食材で一気に東日本を網羅した企業なので 卸屋としてのプライドからか自分らの良く理解できない領域 で新機軸提案をする若造を早めに叩いているのだろう 私はただ組織の将来の展望として利益率の高い自社製品である コーヒー豆を如何に売るか考えに考えた末のことだったのだが でも、実は数ヶ月前から心は決まっていた 今年1年は我慢するが来年は・・・ そして数日後、転勤の話が来た 例の上司がバツが悪そうに「実は4月から○○支店に・・・」 私は心の中で「ヨシ!」と思い「その転勤断って下さい」と告げた 驚いた上司は「お前、断ってどうするんだ?」と聞き返した 思えば今年は1年店舗事業部で、その前は1年本社商品部 さらに1年前は仙台の営業所でその前の1年半は福島のいわき さらにさらにその前は青森に1年半 正に「何時でも何処でもOKです」が私の売りでしたから 上司が驚くのも仕方ありません 「一度、実家に帰って小さなコーヒー店でも考えてみます」 思わず立ちあがった上司が「少し冷静に考えろ」と大声で怒鳴り 室内の社員を人払いして「本当に辞めるのか」と聞いてきた 私は心の中で「やった!やっとで始まるぞ」と叫び続けていた 第2話 ディードリッヒとの出会い に つづく 追伸、この物語はあくまでもフィクション?です 事実かどうかは貴方の判断にお任せします
by coffeecolors
| 2013-02-20 19:10
| コーヒーカラーズ物語
|
アバウト
カテゴリ
以前の記事
2017年 11月 2017年 09月 2017年 08月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 06月 2012年 03月 2012年 02月 2011年 05月 2011年 03月 2011年 01月 2010年 10月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 フォロー中のブログ
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ブログパーツ
最新の記事
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||