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COFFEE COLORS ロースター&バリスタ

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2013年 02月 25日

第6話 ベイブリッジ店との出会い

決して順風満帆ではなかったが何とか2周年目を迎え3年目に入った9月中旬

今年の夏も暑かった、特に焙煎室はわずか2坪弱、空調は無く外窓を
開けっ放しにしても常に40℃超えでパソコンも悲鳴を上げる

オープン当初比べると焙煎量も3倍近くになり在庫の生豆も10品を超えた
結果、エントランススペースも奥の薪ストーブ周りもコーヒーの麻袋が積まれた

遅かれ早かれこうなることは予測していたのだが、新たな焙煎室を作るほどの
利益は全く出ていない

イベントや催事、コーヒー教室等々声を掛けて頂いた事には積極的に参加したが
その都度、機械、備品、什器等を買い揃えるので利益が残るはずもない

来年からは少しは稼げるかな? と思っていたのだか・・・

ショッピングセンター内でのコーヒー催事を巡回しながら店に戻る車の中で
N社のS社長からの電話が

焙煎室の様子や生豆保管スペース等のことを話していたら
「青森は港町なんだから海辺の使っていない倉庫なんか無いの?」と言われ
少しだけ寄り道することにした

繁華街の海手には水産メーカーやセメント会社の大きな倉庫が並んでいた

とても弱小個人事業者が入るような規模のモノでは無いと感じ
店に戻る為に青森ベイブリッジの側道に入った途端、小さな古い倉庫が数件あった

思えばベイブリッジから海手は埋め立て地だったはず
古い鉄道の線路を挟んで岸壁があった記憶がよみがえる

今や山手の青森中央卸売市場に移った水産会社の多くがトラック輸送の前は
陸奥湾、北海道から水揚げされた魚介類を木箱に氷と塩をかけて貨車に積み込み
鉄道で東京築地まで運んでいたとの話を聞いたことがある

20~30坪位のスペースがあれば、と思いながら進むと
ある1軒の建物に目が止まった

シルバーの外壁、チャコールグレーの鉄骨、打ちっぱなしのコンクリート
全面ガラス張りに小さなアルミ枠のドア

確かにデザインされた建物だったが、驚いたのは中の様子

古い黒茶色の木造天井にガイシで張られた電線
まるでタイムスリップしたかと思うようなノスタルジーな雰囲気だが

周りの壁は真っ白のギャラリースペース、椅子もテーブルも真っ白
モダンデザインとノスタルジーが同居しているようだった

入口には「ギャラリー成幸」と書いてあった

鍵が掛かっており中には人の気配はなかったのでガラスに張り付いて
中の様子を伺っていたら「何か用か」と白髪の男性が声を掛けて来た

私は新町でコーヒー店をしていることを告げると
「おぅ! 知ってるぞ、お宅のコーヒーは旨いよな」と言われた

中に通され椅子に座り焙煎室の話をすると、妙に詳しい

聞けば、ギャラリーの前の店名が「COFFEE IS 成幸」
コーヒーとジャズの専門店だったらしい

奥を見せてもらうと白壁のかげにコーヒーカウンターと食器棚が
更に奥には厨房まであった

そして目を奪われたのがつきあたりのガラス張りには
小さな枯山水庭園、それを愛でる茶室まで付いている

私はダメもとで入口の10坪位だけでも貸してくれませんか?と尋ねると
「どうせ使っていないんだから1階全部、備品も食器も好きなように使っていいぞ」

白壁の撤去や多少の工事は必要だか、すぐにでも喫茶営業出来る物件だった
家賃も格安で気に入らない食器や什器は処分しても良いとのこと

後で聞いたのだが2階に住む建物のオーナーNさんは今まで何人もの人から
貸してくれと頼まれたらしいが決して首を縦に振らなかったらしい

それがコーヒー焙煎の工房をと私が言った途端に、ぐっと身を乗り出し
「すぐにやれるぞ!」と嬉しそうに店の隅から隅まで案内してくれた

聞けば昔の水産品倉庫、空襲で焼け野原になった後にすぐ建てられたらしい
その古い建物を囲むように養生して現代風の鉄骨と外壁にデザインし2階部分を
住居としてリフォームしたとこのことだった

水産会社の役員を退任した後に趣味が高じてコーヒーとジャズの専門店を
オープンしたらしいが色々あり現在は貸しギャラリーとしてたまに使う程度

かなりのコーヒー通らしくコーヒーカラーズのコーヒーを本物と認めてくれており
「お宅になら貸したい」と破格の条件を呑んでくれた

話はトントン拍子に進み、何と翌月10月には焙煎機とエスプレッソマシンを据え付け
焙煎開始とカフェ&ギャラリーのプレオープン

スタッフ教育の後11月にはグランドオープンしてしまった

まだ家計も満足に出せない状態だったが出来るだけお金を掛けず手作業やリサイクルで

数か月を掛けて徐々にコーヒーカラーズの色に変えて行った



次回 第7話 突然、福島からのお客様  に つづく



追伸、この物語はあくまでもフィクションとしてお読みください

あくまでも私のいい加減な記憶だけを書き綴ったものです


by coffeecolors | 2013-02-25 15:04 | コーヒーカラーズ物語


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