COFFEE COLORS ロースター&バリスタ

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2013年 02月 26日

第7話 突然、福島からのお客様

2011年3月11日 14時46分 忘れもしない

神が与えた試練と言うのは厳しすぎる、あの東日本大震災

どれだけ多くの人々の人生を狂わせたのか想像もつかない大きな変化

お世話になった福島県いわき市、仙台市若林区も被災し
私だけが運良く逃げ出して助かったような・・・

チェンジはチャンスと言うが前向きになるには長く苦しい時期を
乗り越えなければならないのだろう

もう少しで震災から1年を迎える2月下旬、そんな事を考えていたら

ベイブリッジ店のカウンターに大柄でラフな格好の男性がご来店され
店内を興味深げに見渡しながらSバリスタに色々質問している様子だ

また県外からのコーヒーマニア君かな?

そう思い様子を伺うと「どうも始めまして!」と丁寧に名刺を渡された
厚手の紙で印象的なお洒落なロゴが印刷されていた

「福島で飲食店を経営していますKと言います」
30代前半かな? 若いが肩書を見ると株式会社代表取締役社長である

話を聞くと福島県で現在2件のレストランと1軒のカフェを経営しており
全国のカフェを訪問しながらコーヒーの勉強をしているとのこと

先月アップしたばかりの当店のHPを見て
興味を持ち、わざわざ遠い青森まで足を伸ばしてくれた

新幹線でのトンボ返りだったので、ゆっくりと話は出来なかったが

「本物を届ける」と言う経営理念の下、良質の美味しい「食」を
自らが長く過ごしたニュージーランドをテーマにカフェを展開したいとのこと

短い時間だったがコーヒーカラーズの取組みに興味を持って下さったらしく
翌日、本物のコーヒー作りに本気で取り組みたい旨のメールを頂いた

最初は焙煎豆を卸して欲しいとの話だったが・・・

彼の話や経緯そしてカフェ事業の仕掛け人でニュージーランドに住む
彼のパートナー「ミッキー」の存在を聞いた時に私の心は動いた

ミッキーのことは間接的には聞いていた

今では日本でも有名なカフェチェーンの第1号店創業当時の経営者の1人だったが
訳あってニュージーランドで永住権を取得し飲食店経営と不動産業をしているらしい

そんなミッキーとK社長は年こそ離れていたがワーキングホリデーを利用し同じ
語学学校で出会い親交を深め10年以上を過ごしてとのこと

カフェビジネスでのリベンジの為に語学力が必要と30歳の年齢ギリギリで
新天地に飛び込んだミッキーの周りは20代前半の若者がほとんどだったようだ

そしてその後、現地の暮らしに馴染んでいたK社長に突然の親からの帰国命令が

父親の会社を清算するにあたり唯一収益性の高い外食事業だけを何とか残し
息子に継がせたいとのことらしい

父親の経営していた社名を聞いて驚いた

たしか? 数年前、本社商品部でバイヤーをしていた頃、挨拶に来られた
ロマンスグレーのダンディーな関東で有名な醸造メーカーの本部長さんだったが

もう1枚の名刺を出され、なぜか肩書きは取締役社長になっていた
「今度、こちらの会社も見ることになりまして」

そう言えばあの時の買収先が・・・

そして、考えた結果ミッキーとのコーヒービジネスを始めることを条件に
日本への帰国し外食事業の会社を設立したのだ

同時にニュージーランドのコーヒーを輸入販売する会社を持ち同国の文化を
カフェと言う形で日本に紹介したい

そんな大きなテーマを覆してまで私のコーヒーに乗り換える想いに至ったのは
やはり「本物を届ける」という理念に真剣に取組んでいる証拠だと思った

しかし彼らのカフェ事業1号店が開店して間もなく、あの大震災があり
福島での事業継続に前の見えない大きな不安を抱えているようだ

開業後すぐに合流する予定だったミッキーもニュージーランドでの
地震による土地の液状化で不動産の仕事に追われていた

日本の震災の前にニュージーランドでも大地震があったことなど
全然知らなかったが2人の人生が大きく揺らいだのは事実だった

そこで震災から1年を迎えようとしている今こそ、本物のコーヒーで
被災地から復興の狼煙を上げようと頑張っているのだった

しかし焙煎したての高品質コーヒーを最良の状態でお客様にご提供するには
輸入コーヒーでは鮮度的にもコスト的にも限界があることに気がついたのだ

私が焙煎したての美味しいコーヒーを委託することは可能だ

が、突き詰めて考えるとニュージーランドが青森に変わっただけではないか?

そんな疑問を彼にぶつけ、自分で焙煎したらどうだ! と言ったら

そんなこと・・・ お願い出来るんですか?! 


そして間もなく2度目の来青、今度は宿泊の予定で来るとのこと
もうすぐ、あの震災から1年が経つ前に次の方向性を決めたいようだ

今までのこと、これからのことお互いの全てをさらけ出し真夜中まで話し合った

出会って2度目とは思えない親密で深い内容を何の警戒も無く素直に真剣に
話し合えることに驚きと運命的なモノを感じた

本物のコーヒーを追求する真摯な心が2人を強い絆で結びつけたのだろう
そして3人目の絆、数カ月後に参戦するニュージーランドのミッキーも

翌日も朝早くからベイブリッジ店、新町店で焙煎、テイステイィング、喫茶営業
しっかりと見ながら新たな事業の方向性を模索しているようだった

そして、その足で前の見えない福島以外の新事業の新天地を視察するとのことで

「次は必ずミッキーと二人で来ます」と元気な声で別れた




次回 第8話 ミッキーがついに来た! に つづく






追伸、この物語はあくまでもフィクションとしてお読みください

あくまでも私のいい加減な記憶だけを書き綴ったものです

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by coffeecolors | 2013-02-26 19:13 | コーヒーカラーズ物語


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