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COFFEE COLORS ロースター&バリスタ

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2013年 06月 28日

第6話 東ティモールコーヒーとの出会い

最初にミッキーからリクエストがあったコーヒー豆、それが東ティモールだった
パプアニューギニアや東ティモールは距離的にも近いことからNZではとてもメジャーとのこと

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当時、東ティモールへの私の印象は独特の苦みと甘み若干のフルーティーさはあるのだが
雑味と言うか、重みというか、独特のアフターテイストが気になり導入を敬遠していた

後で気づいたのだがカネフォラ種ロブスタ、つまりインドネシアから持ち込まれたロブスタと
オランダ人が持ち込んだアラビカ種ティピカが長い戦乱で放置された農園や山中で自然交配した

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それが世界初のハイブリッド種であるハイブリットティモールだ
その後、サビ病対策としてコロンビアの主力品種となるヴァリエダコロンビアとなる

栽培する組合や輸入販売する団体からは
アラビカ種(ハイブリットティモールとも言われるが正式な調査はしていない)と書かれているが
私はどうしても気になったあの重い雑味はロブスタのDNAであることを確信した

ミルクシュガーを入れて飲むと昔ながらの缶コーヒーの味がした
これはこれで美味しいのだが・・・  

私が伝えたいクリアー、スムージーなスペシャルティーコーヒーとは明かに違っていた
そんな私のパラダイムを大きく変えたのがミッキーの一言だった

エスプレッソにすると旨みと言うか、円やかさと言うか、とにかくフラットホワイトには欠かせない
そこで急遽サンプルを取り寄せ、先ずはそのままテイスティング

やっぱり、苦みと雑味、重い後味はロブスタのDNAを感じる
しかしエスプレッソでその印象は一転した、旨い、円やかだ、ラテに最高に合う、まるで魔法だった

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従来のエスプレッソと飲み比べると突出した酸が中和され明らかに相乗効果が感じられた
今までのエスプレッソが金属的な酸を感じる程、印象が変わってしまったのだ

イタリアやヨーロッパ各地では今でもエスプレッソ用にロブスタを配合する所が多いと聞くが
この中和効果を狙ってのことだったのだろう

ロブスタを直接使うことには未だ抵抗はあるが、このコーヒーなら主力として配合出来る
フレンチにしてアイスコーヒーのブレンドにも使えるのではないだろうか

その予測は的中していた、従来はキレのある香味を目指しタンザニアフレンチでアイスコーヒーを
提供していたが東ティモールとブレンドすることでコクとキレのバランスが取れ各段に向上した

そして我々がこのコーヒーを主力品として本格的に導入することになったもう一つの理由が
民際貢献として同国やスリランカ更に日本でも宮城県石巻で復興支援として活動するパルシック

彼らが長年かけて農業支援しフェアートレードし続けているのが東ティモール マウベシ郡生産者組合
「日本人が必ず飲まなければならないコーヒー」としてコーヒーカラーズも昨年から取組んでいる

詳しくは 豆豆倶楽部通信NO8 → こちらをクリック

欠点と思える事も個性を認め尊重すること、選択し排除するだけではなく
可能性を活かす方法を考えることが東ティモールの子供たちの笑顔と明るい未来に繋がる

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このような新たな価値観の創造こそが次世代のロースター&バリスタに求められる感性だと思う

日本から遠く離れた南半球のNZカフェカルチャーを知り尽くした

ミッキーから教えられた新たなバラダイムの大転換だった




PS この物語りは彼らから聞き、私は見た記憶だけを綴ったモノです
   事実と異なる事や私の思い違い、聞き違いも一部あると思いますが基本的にノンフィクションです


by coffeecolors | 2013-06-28 15:45 | コーヒーカラーズ物語


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